損切りラインを決める時ってさ、損切りした時に損失がいくらになるかが重要だよね
損失をいくらまでに抑えたいか、が結局のところ一番重要だと思う
その通り。だからトレードする前に損切りラインを決めると同時に、ロット数も決めなきゃならない
通常、FX取引をする場合は「損切りライン(逆指値)」を設定する。これは損失額を限定するためだ。例えば、残高が10万円で、この取引の損切りは1トレードにつき1万円のマイナスになるように設定する、のような感じ。
もし入金額が10万円なのに、1回の取引の損切りで10万円のマイナスになるようならリスクが高すぎる(負けたら一発退場)。
そこで今回は、あらかじめ損切り額を決定し、入金額と損切りライン(pips数)を踏まえた上で、取引量(Lot数)を決めるための計算方法を説明していきたいと思う。
入金額1万円の損切り額の考え方
入金額が1万円だとしましょう。そうしたら、1回の取引での損切り額を自由に決める。
例えば、「500円にする」など。
単純に考えると、損切り額500円なら、20回連続で負けてようやく退場(マイナス500円×20回=1万円)ということになるよね。
損切りラインのpips数によって取引量(Lot数)を変えるための計算方法
オレは、損切りラインっていうのは、その時々の状況によってpips数が変わってくると考えている。なぜなら、常に意味のあるところで損切りする必要があると思っているし、そうなるとpips数はその都度相場の状況によって変わってくるから。
まぁ中には「損切りラインはいつも10pipsにする」と決めている人もいるけどね。
さて、ここでは海外FXを利用していることを前提に話していく。海外FXは基本的に、1ロット=100,000通貨。
例えば、損切り額を500円と決め、損切りラインを「買い」の30pips下に設定するとしよう。
通貨ペアはUSD/JPY。じゃあ、この時の取引量は何ロットだったら、30pipsで500円になるだろうか?
USD/JPYの場合、30pipsは0.3円と同じこと。まずpips数を円に変換する!
続いての考え方としては、1通貨(1ドル)につき、価格が0.3円マイナス。では何通貨(何ドル)あれば500円マイナスになる?
0.3円×何ドル=500円
500円÷0.3円=1,666ドル
ということで、今回の場合は、1,666ドル(0.01666Lot)の取引量であれば、30pipsの損切りをした時に、ちょうど500円マイナスになる。マイクロ口座などを使えば細かい取引数量を扱える。
- 損切り額を決める(例:500円)
- 損切りpipsを円換算する(例:30pipsなら0.3円)
- 「損切り額」÷「損切りpips円換算」=何通貨?(例:500円÷0.3円=1,666通貨)
- 何通貨か算出できたら、「何通貨」÷「100,000」=Lot数(1,666通貨÷100,000=0.01666Lot)
※1Lot=100,000通貨の場合
(「損切り額」÷「pips数/100」)÷100,000=Lot数
↓展開
「損切り額」÷(「pips数」×1,000)=Lot数
例:損切り額500円で、損切りラインがマイナス30pipsの場合
500÷(30×1,000)=500÷30,000=0.01666(Lot)
このやり方は、EUR/JPY・GBP/JPY・AUD/JPY(クロス円)などでも同じ。
円建てじゃないペア通貨の計算方法は?
例えば、EUR/USDのように、円で表示されてない通貨ペアの場合は、どうやって計算すればいいのか?
例えば、損切り額を500円と決め、損切りラインを「買い」の30pips下に設定したとする。
通貨ペアはEUR/USD。じゃあ、この時の取引量は何Lotだったら、30pipsで500円になるだろうか?
EUR/USDの場合、30pipsは0.003ドルと同じこと。まずpips数をドルに変換する!
続いての考え方としては、1通貨(1ユーロ)につき、価格が0.003ドルのマイナス。では何通貨(何ユーロ)あれば500円マイナスになる?
USD/JPYの時と違うのは、最初に0.003ドルを円換算しないといけないところ。現在ドル円が111円だとして、取引中に価格が変わらないと仮定すると、0.003ドル×111円=0.333円。
0.333円×何ユーロ=500円
500円÷0.333円=1,501ユーロ
ということで、今回の場合は、1,501ユーロ(0.01501Lot)の取引量であれば、30pipsの損切りをした時に、ちょうど500円マイナスになる。
現実ではドル円は常に変化するため、正確に500円マイナスにすることはできない(少しずれる)
- 損切り額を決める(例:500円)
- 損切りpipsをドル換算する(例:30pipsなら0.003ドル)
- 「損切りpipsをドル換算したもの」を円に換算する(例:0.003ドル=0.333円 ※1ドル=111円だった場合)
- 「損切り額」÷「損切りpips円換算」=何通貨?(例:500円÷0.333円=1,501通貨)
- 何通貨か算出できたら、「何通貨」÷「100,000」=Lot数(1,501通貨÷100,000=0.01501Lot)
※1Lot=100,000通貨の場合
{「損切り額」÷(「pips数/10,000」×「ドル円レート」)}÷100,000=Lot数
↓展開
「損切り額」÷(「pips数」×「ドル円レート」×10)=Lot数
例:損切り額500円で、損切りラインがマイナス30pips、ドル円レートが111円の場合
500÷(30×111×10)=500÷33,330=0.01501(Lot)
このやり方は、GBP/USD・AUD/USD(ドルストレート)などでも同じ。
もっと簡単に算出する方法
複雑な計算を毎回のトレード前にやるなんて面倒くさすぎる…
そう言うと思って、もっと簡単な方法を見つけておいたよ
例えば、EURUSDのトレードで、逆方向に30pips動いたら損切りするとする。その時の損失額は500円に抑えたい。ってことは、1pips当たりの損失額は500円÷30pips=16.6円/pips。
ここでXMのピップ値計算ツールの出番だ。
ピップ値というのは、1pips当たりの変動額。「ピップ値」が16.6円に近くなるように項目を埋めてやればいい↓
すると、マイクロ口座で1.5ロットの取引をすれば、だいたい30pips動いた時に500円になる。
ピップ値計算ツールは慣れれば簡単だから使いこなせるようにしよう
これで損失額をコントロールできるようになるね!
最低でも無茶なトレードは減りそう