利上げって為替にすごく影響ありそうな感じだけど、いったい何なの?
金利を上げるんじゃなかったっけ?
そう!利上げは中央銀行が金利を上げることだよ。利上げが為替にどんな影響を及ぼすか見ていこう
「利上げをする」って何?
「利上げをする」というのは、その国の「中央銀行が金利を上げること」。
※日本の中央銀行:日本銀行、アメリカの中央銀行:FRB
「利上げ」すると何が起こるの?
中央銀行は金利を上げ下げすることによって、経済をコントロールしようとしている。
まず、中央銀行は民間の銀行にお金を貸したり、預かったりしているよね。そして、民間の銀行はさまざまな企業にお金を貸したり、預かったりしている。企業は銀行から借りたお金を使って新規事業を行い、これは経済発展・雇用の創出などにつながえる。
では「利上げ」をすると経済にどんな影響を及ぼすのか?
中央銀行が「利上げ」すると、お金を借りた時に発生する利子が増えてしまう。利子が増えた分、多く返済しないといけないわけだ。
だから民間の銀行は中央銀行からお金を借りにくくなる。
また、民間の銀行も「利上げ」にあわせて利子を増やすため、さまざまな企業もお金を借りにくくなる。
結果、新規事業は減り、経済のお金の回り方が鈍くなります。そして利子を多く返さないといけない分、企業の利益は減る(株価は下がる)。すると、銀行・企業・人々はお金を使わず、貯め込む人が多くなるので、経済に出回っているお金の量が減る。量が減るということは、お金自体の価値は高まる。
仮に「円」の金利が上がるという例で考えてみよう。利上げ決定により「円」の価値が高まると考えた投資家は「円」を買う動きに出て、世界的に見て「円」の価値が高まっていく(円高↑)。
- 金利が上がる
- お金を借りにくくなる
- お金を借りたら借りたで企業は多くの利子を払わなければいけないため、利益は減り、株価は下がる
- 不景気(市民の給料は減り、モノが売れなくなる(物価低下/お店は商品の価格を下げざるを得ない))
- 世の中に出回るお金の量が減る(相対的に円の価値は高まる)
- 利息(スワップ金利)目的で投資家から「円」が買われる(需要UP↑で「円」の価値は高まる)
なんで「利上げ」するの?
利上げをする理由は、「国のお金の信用を無くさないため」。
金利が低い状態の時を考えてみよう。
金利が低いと気軽にお金を借りれるので、企業は銀行からお金を借りまくり、新規事業をどんどん進める。利益を生み、株価は上がり、雇用は増えて、金回りが良くなっていく(市場に出回るお金の量が増える)。
まさに好景気だ!
給料もどんどん増えていくだろう。多少モノが高くても売れるから、物価も上がっていく。極端な話をすると、150円の缶コーヒーが、1,500円になっても、お金があるから皆買う(物価の上昇)。
このような状況は「ハイパーインフレ(バブル)」と呼ばれている。
でもこれは、「円」の価値が下がっていることを意味する。なぜなら、より多くの日本円を集めないと、モノが買えないのだから。また、金利が低いということは、投資家は「円」を欲しがらない。「円」を持っていても利息が低く、メリットがないから。需要DOWN↓で「円」の価格は下がる傾向に。
これがどんどん進んでいくとどうなるか?
やがて1万5,000円、15万円、150万円ないと、缶コーヒーすら買えなくなっていく。輸入に頼っているモノも、日に日に価値が下がる日本円では買いづらくなっていくよね。こうなってくると、どんどん価値が下がる「日本円」など、持っていても意味がない。
だから、国はこうした最悪の状態に陥る前に「利上げ」を行い、インフレを抑えようとするんだ。
ただしバブルが行き過ぎた後だと、「利上げ」をした途端、企業はお金を借りづらくなり、新規事業は低迷。企業の利益は減り、株価は暴落。投資家大損。従業員も給料が減り、一気に不景気になってしまう。これがいわゆる「バブル崩壊」だ。
景気が良くなるのはいいことのようにも思えるが、行き過ぎると大変なことになってしまうの。それを抑えるのが国の役目であり、うまい具合に「利上げ」をすることで、経済を調整しようとしているのだ。
「利上げ」には、インフレ(バブル/物価上昇)を抑える役割があることを覚えておこう
なるほど~。自国のお金の価値を保つためにも利上げは必要なんだね
ほほぅ。じゃあ利上げを決定した国の通貨を買えば儲かるな